Webデザイナーとしてのキャリアをスタートさせるには、適切な準備が必要です。
未経験から始める場合、そのプロセスは一層難しく見えるかもしれませんが、正しいステップを踏めばWebデザイナーとして活躍できます。
本記事では、未経験からWebデザイナーになるための5つのステップを紹介します。
これらのステップを正しく進めれば、必要なスキルや知識を身につけ、自信を持ってデザイン業界でのキャリアをスタートできます。
未経験からWebデザイナーになりたいと思っている人は、ぜひ最後までご覧ください。
未経験からWebデザイナーになるための5ステップ
冒頭でもお話しましたがWebデザイナーになるためには、正しいステップを踏むことでWebデザイナーとして活躍できます。
そのステップは以下の5つです。
ステップ1:勉強する
Webデザイナーになるためには、まずオンラインスクールや独学などの手段で知識を得ることから始まります。
勉強には以下の手段が挙げられます。
勉強方法 |
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スクール |
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独学 |
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職業訓練 |
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どの方法を選ぶにしても適切な情報源を見つけることが重要です。
また、学習を始める前に、自分の目標や予算・学習方法などを考えて、勉強方法を選びましょう。
ステップ2:資格を取得する
未経験からWebデザイナーになるためには、自分のスキルを証明できる資格を取得しておくと有利です。
必ずしも必要ではありませんが、知識の習得と並行で挑戦するのもおすすめです。
以下に代表的な資格を紹介します。
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Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、日本で最も有名なWebデザイナーの資格のひとつです。
WebサイトのデザインやコーディングなどWebクリエイターとして身につけておくとよい基礎知識が中心となっています。
例年、受験者の8〜9割程度が合格しており、しっかりと対策をおこなえば確実に取得できる資格です。
特徴 |
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受験料 |
スタンダード:5,900円 エキスパート:7,500円 |
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、特定非営利活動法人「インターネットスキル認定普及協会」による資格試験で、Webデザインの基礎的な知識や技術を問うものです。
Web業界で唯一の国家検定で、1級から3級まであります。初心者はまずは3級取得を目指すとよいです。
特徴 |
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受験料 |
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1級 |
学科: 8,000円 / 実技: 25,000円 (実技はペーパー実技含む) |
2級 |
学科: 7,000円 / 実技: 16,000円 または7,000円(25歳未満の在職者) |
3級 |
学科: 6,000円 / 実技: 8,000円 または3,000円(25歳未満の在職者) |
Adobe Certified Professional(アドビ認定プロフェッショナル)
Adobe Certified Professional(アドビ認定プロフェッショナル)は、アドビが主催する各種ソフトウェアの資格試験の総称です。
ウェブデザインに必要なソフトウェアであるPhotoshop、Illustrator、Premiere Proなどの資格試験があります。
特徴 |
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受験料 |
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Photoshop,Illustrator,Premiere Pro |
ステップ3:ポートフォリオを作成する
Webデザイナーとしてのスキルを証明するためにはポートフォリオが必要です。
ポートフォリオとは、自分が制作したWebサイトやWebアプリケーションなどの作品を集めた実績集で、制作物のクオリティやスキルが一目でわかるもの。
ポートフォリオがあれば、自分自身のスキルをアピールする手段となります。
またポートフォリオを通じて、制作物を閲覧した企業やクライアントが自分のスキルやセンスを評価し、案件を依頼してくれる可能性を高められます。
実務経験がない場合は、特にポートフォリオがないとクライアントも判断しかねます。
ぜひ早めに作っておきましょう。
ステップ4:案件を獲得する
Webデザイナーとしてスキルアップしていくには、実践を重ねることが欠かせません。
しかし未経験の段階では、どうやって案件を獲得すればよいのか悩むこともあるでしょう。
案件を獲得する方法は、主に以下の3つです。
案件獲得方法 |
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クラウドソーシングサイト |
Webデザインの仕事が多数募集されており、実務経験を積むためにも有用。 単価は安めだが、実績作りには最適。 |
自分自身のSNS |
InstagramやTwitterなどで、自分の作品を発信する。 自分自身をアピールすると、クライアントから直接依頼がくることも。ポートフォリオは必須。 |
知り合いや知人からの紹介 |
紹介される案件は、既に信頼関係が築かれていることから、初めての案件でも安心してできる。 |
ステップ5:実績を積む
Webデザイナーとして実績を積むことは、スキルアップや将来的な収入アップにつながります。
未経験から始めた場合、最初の案件から徐々に実績を積み上げていくことが大切です。
最初は低単価の案件から始めることが多いかもしれません。
少しずつ実績を積んでいくことで、クライアントからの信頼を獲得し、より高い単価の仕事を受けられるようになります。
実績を積み上げるためには、着実にスキルアップし、クライアントのニーズに応えるデザインを提供することが大切です。
未経験からWebデザイナーの仕事を獲得するポイント
未経験からWebデザイナーの仕事を獲得するポイントを3つご紹介します。
ポイント1:正社員へのこだわりを捨てる
Webデザイナーとして未経験からスタートする場合、正社員としての就職は難しい場合があります。
なぜなら、企業は即戦力を求める傾向があり、未経験者に対して高い給与を支払うことはできないからです。
Webデザイナーは実力と実績が求められる業界であるため、まずは実務経験を積むことが重要です。
そのため、正社員での就職にこだわらず、業務委託やフリーランスとしての仕事にもチャレンジしましょう。
実務経験を積むことで実力と実績を着実に積み上げ、高単価の案件につなげることができるでしょう。
正社員での就職にこだわらず、柔軟な就業形態を受け入れ、実務経験を積むことが大切です。
ポイント2:小さな案件から挑戦する
未経験からWebデザイナーとしてのキャリアをスタートする場合、まずは自分の実力を証明することが必要です。
しかし、実績がない状態で高単価の案件を獲得するのは難しく、初めから大きな案件に挑戦するのはリスクが高いです。
そのため、小さな案件から始めることをおすすめします。
小さな案件に挑戦することで、実務経験を積むことができます。
実務経験を積めば、デザインのスキルや技術面だけでなく、クライアントとのコミュニケーションスキルやプロジェクト管理スキルなども磨かれます。
小さな案件から順番にステップアップしていくことで、自分が得意な分野や弱点なども段階的に把握でき、今後のスキルアップの方向性を決めることにも役立つでしょう。
ポイント3:ポートフォリオは常に最新にする
ポートフォリオは、Webデザイナーが持つスキルと経験を証明するための重要なツールです。
特に未経験者の場合、ポートフォリオはその人の実力を示す唯一の手段となることが多いため、常に最新の状態に保つことが求められます。
新しいスキルや知識を身につけたら、早急にポートフォリオに反映させることです。
もちろん作品を増やしていくことも忘れてはいけません。
経験が少ない場合は、自分で作品を作ってポートフォリオに随時追加していきましょう。
Webデザイナーになるメリット
未経験でWebデザイナーになるのは大きな決断ですよね。
迷われている方は、Webデザイナーになるメリット・デメリットを理解してから決断しましょう。
Webデザイナーに転身するメリットは3つあります。
メリット1:時間や場所にとらわれない
ひとつ目は時間や場所にとらわれずに仕事ができるということです。
フルリモートの仕事を選べば、自宅で仕事ができます。
通勤時間や交通費を節約することができ、時間や場所にもとらわれることがありません。
たとえば、カフェや図書館など、外出先で仕事をすることも可能です。
また、家庭と仕事の両立がしやすくなるため、育児や家事と両立しながら仕事をすることができます。
地域や国境を超えて業務に携わることもできるでしょう。
クライアントや仕事先が海外にある場合でも仕事ができるため、生活の幅も広がります。
メリット2:好きな分野で活躍できる
2つ目は自分の好きな分野で活躍できることです。
たとえば、音楽が好きな人なら、音楽関連のWebサイトやアプリケーションを手掛ける仕事に携わることができます。
同様にファッションやスポーツ、旅行などといった分野でもWebデザイナーの仕事は不可欠です。
好きな分野で仕事ができれば、モチベーションを高く保ち、仕事に取り組めるでしょう。
また、その分野についてよく知っているため、クライアントやユーザーのニーズに合ったWebサイトやアプリケーションを制作することができます。
その結果、よりクオリティの高い成果物を提供し、クライアントからの評価も高まります。
自分が好きな分野で活躍できるということは、自分とクライアント双方にメリットがあるといえるでしょう。
メリット3:人間関係のストレスを感じにくい
3つ目は人間関係のストレスを感じにくいことが挙げられます。
Webデザイナーは、自分のスキルやアイデアを活かして制作物を作ることが主な仕事です。
制作に集中するため、他の人とのコミュニケーションや人間関係のトラブルに巻き込まれることが少なく、ストレスを感じることが少ないでしょう。
しかし、完全にコミュニケーションが不要というわけではありません。
クライアントとのやり取りが必要であり、細かい修正依頼や意見のやり取りが発生することもあります。
ただし、基本的には自分自身の能力やアイデアを活かすことが求められるため、チームでの協力が必要な職種よりも人間関係のストレスを感じにくいです。
Webデザイナーになるデメリット
未経験からWebデザイナーに転身することは、多くの努力が必要で、デメリットや課題も存在します。
たとえば、以下のような点が考えられます。
デメリット1:収入が減ってしまう可能性がある
未経験からWebデザイナーに転身する場合、実績がないために始めは低い単価の仕事を受けることが多いです。
このため、一時的に収入が減ってしまう可能性があります。
また、Webデザイナーに必要なスキルを身につけるためには、学習コストもかかります。
ある程度収入を得ながら副業としてスタートする方も多いです。
ただし、実績を積んでスキルアップをすれば、徐々に単価が上がっていくことが期待できます。
デメリット2:年齢層が低い
デメリットのひとつに、年齢層が低いという点が挙げられます。
Webデザイナーは、技術やトレンドの変化が速い分野であり、20代後半〜30代前半までの若い世代が多く活躍しています。
そのため、上司や同僚が自分よりも年下の場合があるかもしれません。
指示やフィードバックを受ける際に、年齢差がストレスになることも考えられるでしょう。
しかし、若い世代のトレンドや感性に敏感であることが求められるWebデザインの分野では、年齢よりも実力や経験が重視される傾向があります。
自分のスキルアップやキャリアアップを目指すためにも、年齢にとらわれずに、若い世代と協力しながら働くことが大切です。
デメリット3:社会的保障がない
未経験からWebデザイナーに転身し、フリーランスとして働く場合、社会的保障がないというデメリットがあります。
会社に属さないため、社会保険や雇用保険に加入することができず、国民健康保険・国民年金に自分で加入手続きをおこなう必要があります。
また、転身したばかりのころは収入が不安定であることが多いです。
保険料などをしっかりと納めるためにも、事前に貯金をしておくと安心でしょう。
フリーランスのWebデザイナーとして働く場合は、将来的なことを見据えた対策が必要です。
Webデザイナーとして使うスキルとは?
ここではWebデザイナーとして使うスキルについて、詳しく解説します。
Webデザインツールの扱い
Webデザイナーにとって、デザインツールの扱い方は非常に重要なスキルのひとつです。
とくにPhotoshopやIllustratorは、Webデザインにおいて必要不可欠なツールとなっています。
Photoshopは画像編集や合成が得意で、Webデザインに必要な画像素材を制作するために使用されます。
Illustratorは、ベクター画像を制作するためのツールであり、Webデザインに必要なアイコンやロゴマークなどの制作に欠かせないツールです。
Webデザインでは、これらのデザインツールを使いこなすことで、より効率的かつ高品質な制作が可能になります。
Webデザイナーになるためには、これらのツールをマスターすることが不可欠であり、デザインの仕事に就くうえでも必要不可欠なスキルです。
デザインについての知識
デザインについての知識は重要です。
クライアントが求めるコンセプトやテーマに合わせたデザインを提供するためには、色やフォント、レイアウトなどの基本的なデザイン知識が求められます。
また、ユーザーがサイトやアプリケーションを使用しやすく、快適に利用できるような設計をするためのデザイン知識も必要です。
デザインに関するトレンドや流行にも常に目を光らせ、最新のデザインを提供することも大切となります。
これらの知識を持つことで、幅広くクライアントのニーズに応えられ、より多くの仕事獲得につながるでしょう。
自身で新しいデザインを考案して提供することで、自己表現の幅を広げることも可能です。デザインについての知識は、Webデザイナーとして必須のスキルといえます。
コーディング
Webデザイナーは、Webページのデザインを作成するだけでなく、そのデザインをWebページとして実現するためにコーディングスキルがあると仕事の幅が広がります。
コーディングスキルは、HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を使い、Webページのレイアウトやデザイン、機能を実現するために必要なスキルです。
コーディングスキルがあることで、Webデザインをページ上で具現化することができます。
Webデザイナーに必須のスキルのひとつつとして、コーディングスキルの習得を目指しましょう。
未経験からスキルを身につける方法3選
未経験からスキルを身につけるための方法として、3つの方法を紹介します。
方法1:オンラインスクールの受講
オンラインスクールには、初心者でもわかりやすく解説されたカリキュラムや、動画講義、実践的な課題などが用意されているため、自分のペースで学習が進められます。
また、就職をあっせんしてくれるオンラインスクールもあり、就職までのサポートを受けられるため、自己学習では不安な方でも安心してスキルを身につけることができるでしょう。
ただし、オンラインスクールによっては受講料が高額であったり、就職までのサポートが充実していない場合があるため、事前に十分な情報収集をすることが重要です。
リモートワーク実践スクール「リモラボ」では、Webデザイナーのスキルを身に付けるための場所が提供されています。 初心者から中級者まで幅広く対応しており、Webデザイナーに必要な基本的スキルを学ぶことが可能です。また、実践を通してスキルアップもできます。 Webデザイナーを目指す人にとっておすすめの学習手段です。 |
方法2:独学
独学は、自分のペースで勉強できるというメリットがあります。
自分が興味のある分野について、自由なスタイルで学ぶことができます。
また、時間や場所を選ばないため、忙しい人にも適しています。
ただし、独学は専門家のアドバイスを受けることができないため、知識や技能に欠陥がある可能性があります。
困難な問題に遭遇した場合、解決策を見つけるために時間がかかるかもしれません。
独学は誰でも自由にスキルを習得することができる方法です。
しかし疑問の自己解決が難しい場合は、効果的ではありません。
独学を選択する場合は、計画的に取り組み、課題をクリアするための対策を練っておく必要があります。
方法3:未経験OKの求人へ応募
未経験からスキルを身につける方法のひとつに、未経験でもOKとされる求人への応募があります。
これは、業務に必要なスキルや知識を求められず、研修やOJTなどを通じて習得できる職種に多く見られます。
この方法のメリットは、安定した収入を得ながら、職場での実務経験を積み重ねることができる点です。また、職場の先輩や上司にアドバイスを求めたり、一緒に作業をすることで、業務に必要なスキルや知識を身につけることができます。
一方、未経験でもOKとされる求人は、若年層に限定されることが多く、年齢や経験を求められる職種に比べると求人数が少ない傾向にあります。
また、初めからスキルを持っている人材よりも劣る立場での採用が多く、労働条件や給与水準が低い場合も想定されます。
ただし、将来的にスキルを身につけて職務内容を拡大していくことで、キャリアアップや収入アップができるでしょう。
まとめ
未経験からWebデザイナーになるためには、自分に合った学習方法を選び、一歩ずつ着実にスキルを身につけることが大切です。
オンラインスクールの受講や独学、未経験OKの求人への応募など、さまざまな方法があります。
また、Webデザイナーに必要なスキルを身につけることも重要です。
ただし未経験から転職する場合、収入が減ってしまう可能性や社会的保障がないといったデメリットもあります。
Webデザイナーを目指すときは、万一に備えて貯金を用意するなどの対策をおこなっておくことが大切です。