ライティングとは、「文章を書く行為」や「文章を書く技術」のことをいいます。
ライティングの主な目的は、読み手に事実や意見を伝えることです。
ライティングにはさまざまな種類があり、ポイントをおさえて書くことで読み手にしっかりと伝わる文章になるでしょう。
そこでこの記事では、ライティングの意味や種類、意識するべきポイントなどについて解説します。
ライターを目指している方やこれから仕事をする方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
ライティングとは?
ライティングとは、一般的に「文章を書く行為・技術」を指します。
ライティングの目的はさまざまですが、主な目的は読み手に事実や意見などを伝えることです。
そのために書き手は、正しい文法や表現方法といったライティングスキルを身につける必要があります。
ライティングスキルは多くの人に必要ですが、特に文章を書くことを仕事とする「ライター」にとっては欠かせないスキルです。
ただし、ライターはただ単にライティングスキルを身につければいいのではなく、媒体や読者などに合わせた適切な文章を作成できるようになる必要があります。
ライティングの主な種類
ライティングにはさまざまな種類があります。
現在ライターとして仕事を始める時に必要とされる3つについて詳しく説明します。
Webライティング
Webライティングとは、紙媒体とは異なりWebコンテンツ向けのライティング技法のことを指します。
代表的なWebコンテンツにはビジネスブログ、ECサイト、SNS、メールマガジンなどがありますが、これらのコンテンツを作成するのに共通する文章技術を「Webライティング」と呼びます。
Webコンテンツと紙媒体には、いくつか違いがあります。
たとえば、基本的に無料であるWebコンテンツの場合は、読者はいつでも離脱しやすいといわれることが多いです。
そのためWebライティングでは、有益な情報を最初に説明する「結論ファースト」を使うことが一般的になっています。
SEOライティング
SEOライティングとは、Googleなどの検索エンジンのアルゴリズム(※)を考慮したライティング技法です。
※検索エンジンが検索順位を決めるためのルール。
自社ページが検索エンジンで上位表示されることは売上に影響するため、特にビジネスブログやECサイトのようなWebメディアにとって欠かせない技術といえます。
SEOライティングをするためには、検索結果について影響を与える「アルゴリズム」について知っておく必要があります。
アルゴリズムは200以上あるとされていますが、ライターは特にタイトルや見出しのつけ方、文章の読みやすさや独自性などについて理解しておくのが望ましいです。
SNSライティング
SNSライティングは、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSアカウント向けのライティング技法です。
広義ではWebライティングに含まれますが、通常はSEOライティングのように検索エンジンを意識した文章作成はおこないません。(VSEOのような動画コンテンツ用のSEOはあります。)
SNSライティングでは、アカウントのキャラクター性と共感を得やすい投稿などが重視されることが多いです。
友達のようなフレンドリーな口調にするか、カスタマーサポートのような丁寧な口調にするかで印象はだいぶ異なります。
アカウントの世界観に合わせた、一貫した投稿が必要になるでしょう。
そのほかのライティング
このほかにもライティングには以下のようにさまざまな種類があります。
【そのほかのライティングの種類】
✔コピーライティング:人を動かす広告文、キャッチコピーなどの作成
✔クリエイティブライティング:小説、脚本、シナリオなどの創作活動
✔アカデミックライティング:主に論文やレポートなどの専門的な執筆
✔テクニカルライティング:主にマニュアル作成など
✔ビジネスライティング:主にビジネ文書の作成
✔セールスライティング:販売を目的とした商品説明、アピール文を作成
ライティングで意識すべき5つのポイント
ライティングの目的は、読み手に事実や意見などを正しく伝えることです。
しかし、ただ文章を書けば相手に事実や意見が伝わるかというと、必ずしもそうではありません。
そこで、ライティングをする際は以下のようなポイントを意識する必要があります。
ここでは、ライティングで意識すべきこれらのポイントについて確認しましょう。
媒体に合うように書く
前述したとおり、ライティングではどの媒体に文章を掲載するのかで気を付けるべきポイントが変わります。
ビジネスブログやECサイトなどのオウンドメディアなのか、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSなのかなど、その媒体に合う文章を書くようにしましょう。
また、同じビジネスブログでも発注者によって重視することが違うので、仕事を始める前にしっかり確認が必要です。
たとえば、A社では「体言止めがOK」であっても、B社では「体言止めはNG」のケースもあります。
発注者が運営しているメディアに合わせた文章作成が最優先です。
記事のターゲットに合わせて書く
読者が検索エンジンで調べ物をする理由は、何か疑問があって解決したいからです。
そのため、ライティングの目的には、読み手に事実や意見を伝えることに加えて、読者の悩みや疑問を解決することも挙げられます。
ライティングでは悩みを解決できるコンテンツを作る必要があります。
たとえば、「リンゴ 切り方」と調べた読者には、リンゴの食べ方に関する文章ではなく、リンゴの切り方に関する文章を作る必要があります。
ただし、リンゴを簡単に切りたいのか、オシャレに切りたいのか、検索意図はわからないため、読者が知りたい情報をリサーチして執筆しましょう。
文章の型を使ってわかりやすく書く
ライティングでは、物事を論理的に説明する必要があります。
その際に役立つのが「文章の型」と呼ばれるフォーマットです。
一般的には起承転結や三段論法などが有名ですが、ライティングでは以下のようなPREP(プレップ)法やSDS法、DESCk(デスク)法なども覚えておくことをおすすめします。
【ライティングでよく使われる文章の型】
✔ PREP法:Point(結論)→Reason(理由)→Example(例)→Point(結論)
✔ SDS法:Summary(要点)→Details(詳細)→Summary(要点)
✔DESC法:Describe(描写)→Explain(説明)→Specify(提案)→Choose(選択)
一文一意(一文一義)でシンプルに書く
文には、以下の3種類があります。
✔単文:主語と述語が1つずつある文章
✔重文:主語と述語が2つ以上あり、それらが並立の関係にある文章
✔複文:主語と述語が2つ以上あり、それらが並立の関係にない文章
一般的にシンプルな文章のほうがわかりやすいため、ライティングでは「単文」をベースとした一文一意(一文一義)で書くようにいわれることが多いです。
また、一文が長すぎると読みにくくなったり、読み間違いが起きたりすることから、一文あたり50文字以内が目安です。
視覚的に読みやすく書く
ライティングでは文章の正確性だけでなく、視覚的にも読みやすく書く必要があります。
ページにビッシリと文字が埋まっていると、多くの読者は読むことに抵抗感を覚えてしまうでしょう。
そこで以下のポイントを意識して、視覚的にも読みやすい文章を書くのがおすすめです。
✔テーマごとに見出しを立てる
✔漢字を使い過ぎない(漢字とひらがなの割合は3:7)
✔適宜、改行をする(文章を2~3行ごとに改行をする)
✔箇条書き、表、イラスト・図解、太字などを使う
初心者に多いよくあるライティングの間違い
初心者ライターの場合、編集者や校正者から文章の間違いを指摘されることがあります。
公益財団法人 日本広報協会は、そのような文章の間違い(悪文)を以下のように分類しています。
構文、語の選択、長文、語法、敬語、語の不足、構成、文体、読点、文の連結、助詞、語句の重複 、語の形式、慣用句、重言、その他 |
ここでは、初心者ライターに多いライティングの間違い(悪文)を紹介します。
主語と述語の対応が悪い
文章の構文の間違いで特に多いのが、主語と述語の対応が悪い文章(ねじれ文)です。
ねじれ文を書いてしまうと、読み手には何となく書き手がいいたいことが通じるものの、間違って伝わったり、違和感を与えたりしてしまいます。
以下のようなねじれ文を書かないように注意しましょう。
✔私の目標はライターになりたいです。 → 私の目標はライターになることです。 ✔友人が発言すると、ハラハラします。 → 友人が発言すると、私はハラハラします。 ✔私の書いた記事が、雑誌に掲載している。 → 私の書いた記事が、雑誌に掲載されている。 |
短文だと「ねじれ」に気づきやすいものの、長文になると気づかずねじれやすいです。
主語と述語の関係には注意しましょう。
(※)日本語には主語省略があるため、文脈によっては主語を明らかにしなくても意味が通じることがあります。たとえば、上司との会話で「昨日は何かした?」と聞かれた際に「昨日は図書館で本を借りました」と回答することは、主語が明らかなので不自然とは思わないでしょう。 |
一文が長くて読みにくい
一文が長すぎる場合も悪文になりがちです。
長文の特徴はひとつの文章の中に、「あれも」「これも」と複数の事実や意見などが含まれていること。
これにより読み手は、書き手がなにをいいたいのか理解できなくなります。
以下のような長文は、意味ごとにいくつかに区切るようにしましょう。
今朝は空気が澄んでいて朝日がまぶしく、公園にはたくさんの元気な子どもたちがいて、そういえば自分も子どもの頃にこの公園で遊んだことを思い出し、心地よい風と鳥のさえずりが聞こえる中、その景色を眺めて気持ちを新たにして「よし一日頑張ろう」と気合いを入れて会社に向かいました。 ↓ 今朝は空気が澄んでいて朝日がまぶしく、公園にはたくさんの元気な子どもたちがいました。 そういえば自分も子どもの頃にこの公園で遊んだことを思い出し、私は心地よい風と鳥のさえずりを感じます。 そして気持ちを新たにし、「よし一日頑張ろう」と気合いを入れて会社に向かいました。 |
語法の使い方が正しくない
語法とは、特定の言葉を使うときの決まりごと、文のいい回しのことを指します。
代表的な語法には以下のようなものがあり、これらを守れていない文章も悪文と判断されてしまうでしょう。
✔~たり、~たり ✔もし~たら…… ✔おそらく~だろう ✔~ながら……する ✔必ずしも~ではない など |
単語の意味を間違っている
単語の意味を正しく理解せずに使っている間違いもよく見られます。
単語を適切な意味で使えていないと、読者に間違った意図が伝わってしまうので注意が必要です。
特に専門用語、難解用語、慣用句、敬語などを使う場合は、意味を正しく理解したうえで使いましょう。
以下は間違いやすい一例です。
合いの手を打つ → 相槌を打つ、合いの手を入れる 一抹の望み → 一縷の望み、一抹の不安 雪辱を晴らす → 雪辱する、雪辱を果たす、屈辱を晴らす 取り付く暇もない → 取り付く島もない 的を得た → 的を射た、当を得た など |
敬体と常体が混ざっている
文体(文末表現)には、大きく「です・ます調(敬体)」と「だ・である体(常体)」の2種類があります。
これらは通常、どちらか一方に合わせるのが望ましいです。
敬体と常体を混ぜると、文章全体の統一感が損なわれてしまい、読者に読みにくい印象を与えてしまいます。
ライティングがグングン上手くなる練習法
自分のライティング能力を向上させたいなら、以下のような練習法がおすすめです。
ここでは、ライティングがグングン上達する練習方法について確認しましょう。
とにかく何度も書く
ライティング能力を伸ばすためには、とにかく何度も書くことが大切です。
最初のうちは1日に数百文字しか書けなくても、継続して書くうちに文章の流れなどが身につくため1,000、3,000、5,000文字……と、書ける文字数は増えてきます。
そのため、繰り返し書くことがとても重要です。
繰り返し書いて練習するときのポイントは、文章の目的や構成、流れなどを意識してライティングすることです。これらを意識しないと、ただのタイピング練習になってしまいます。たくさん文章を書けるようになるだけでなく、正しい文章を書くことが大切ですね。
文章のノウハウを学ぶことはもちろん大切ですが、学んだことはどんどん実践してスキルアップにつなげましょう。
上手な文章をまねる(写経)
何度も書く練習をするうちに、自分なりの文章の型を身につけることができます。
しかし、繰り返し書く練習をするだけでは表現の幅が狭かったり、似た文章ばかりになったりしてしまうことも。
そこで、他人の書いた上手な文章をまねて書く、「写経」をおすすめします。
写経のポイントは、他人の文章の目的や語順の意図などを意識しながら書き写すことです。
これらを意識しなかった場合、表現の幅を広げたり、新たな文章の流れを身につけたりすることができません。
句読点の位置や接続後の配置などにも気を配りながら、写経をしてみましょう。
オンラインスクールに通う
ライティング能力を向上させるためには、実際に文章を書いているライターや編集者などから文章の添削・フィードバックを受けるのもおすすめです。
そのためには、ライティングスクールやライター講座などの利用を検討するのもよいでしょう。
ライティングスクールには通学型やオンライン型といった授業形態があり、スクールによって講座内容・カリキュラムは全く異なります。
講座内容や授業料だけでなく、講師による文章添削やフィードバックがあるかどうかなども事前に確認してから申し込みをしましょう。
まとめ
ライティングとは「文章を書く行為」や「文章を書く技術」のことを指し、ライターにとって欠かせない技術となっています。
ここで紹介した内容は初心者ライター向けのものであり、将来的にプロのライターとして活躍したいなら絶対に押さえておきたいポイントばかりです。
文章を書く時に、今回紹介した内容が自然とできるレベルになるまで何度も繰り返し練習しましょう。
上達のカギは知識を学ぶだけでなく、どんどん実践することです。
ぜひ今回の内容を参考にしてくださいね。